『源氏物語』② 紫式部 人生の指南書

恋愛小説としてだけじゃない権力者たちの教養書人生の指南書 『源氏物語』の概要とあらすじ 全54帖にわたる長編小説で、それぞれの帖に「桐壷」や「帚木」「空蝉」といったタイトルがつけられています。主人公となるのは、光源氏。才能あるイケメンで、しか…

アルチンボルト展 国立西洋美術館(東京・上野)

アルチンボルトの顔芸は計算ずくの奇妙さ 国立西洋美術館 葛飾北斎や歌川国芳とアルチンボルト 雨の降る平日にもかかわらず、国立西洋美術館は大勢の人。入場者が30万人を超えたそう。江戸末期の葛飾北斎や歌川国芳のだまし絵を思い浮かべるが、表現の自由を…

『たけくらべ』 樋口一葉 奇蹟の十四か月

森鴎外や幸田露伴も絶賛奇蹟の十四か月 Wikipedia引用 樋口一葉(ひぐちいちよう) 1872年(明治5年)東京生まれ。本名は奈津。学問好きだった父の影響を受けてか、一葉も少女時代から読書好きで文才に長けていたという。14歳で女流歌人・中島歌子の私塾「…

憲法を知ると世の中の見方が変わる

知らないでは済まされない憲法の内容や成り立ち 国の基本を定めたルール 憲法は、国の基本を定めたルールです。法律とは違います。どこが違うのか。法律は国民が守るべきルール。しかし、憲法は国の仕事をする人が守るべきルールです。 国の権力は、日本では…

『ぼくはこんな本を読んできた』② 立花隆の読書論

本書には知的好奇心のすすめや読書論、書斎、仕事場論などについて語られ、また立花隆の中学生のときの作文(読書記録)も披露されています。今回は本書から「見当識」という言葉についてと、紹介されている本のなかで『豊臣秀吉の朝鮮侵略』を取り上げます…

『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治 それは哲学

宮沢賢治童話の代表作 『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の童話作品。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語で、代表作のひとつです。 『銀河鉄道の夜』の最終形と初期形 宮沢賢治は死後、その代表作となる『銀河鉄道の夜』に、度重…

『思考の整理学』 外山滋比古

200万部を超える大ベストセラー 本書『思考の整理学』は200万部を超える大ベストセラー。1983年に出版された同書は累計で218万部を超え、出版不況のさなか驚異的な売り上げです。しかし、発行当初から注目されていたわけではなく、あることがきっかけで部数…

『白雪姫』 グリム童話

本当は怖いグリム童話 グリム童話というと、危機に陥った主人公が、最後は助かって幸せになる、という子どもたちが引き込まれる内容というイメージですが、実際のグリム童話はそんなハッピーエンドではなく、非常に残酷かつ厳しい結末だったのです。 グリム…

『蟹工船』 小林多喜二

あらすじ 海軍の保護のもと、オホーツク海のロシア領海で密漁する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。” 国策 ” の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキに踏み切るが、船を所有する会社は海軍の力を借りてこれ…

人生うまくいかない時は 美輪明宏

NHK『あさイチ』へゲスト出演した美輪明宏。視聴者から寄せられた相談への回答が、素晴らしいと話題になったことがあります。 相談は、「人生うまくいかないなと思った時、どう切り換えればいいですか。悪いことしか思い浮かんでこなくなります。」というも…

『学問のすすめ』 福澤諭吉

福澤諭吉 Q&A です Q1. 英語の「スピーチ」を「演説」と翻訳して、はじめて日本語で紹介した諭吉。演説を広めようと、自分も練習しました。諭吉の練習方法とは? ① お芝居に出演して、長いセリフをしゃべった② 橋の下で、声を張り上げた③ 民謡をならって、大…

『蜘蛛の糸』 芥川龍之介

人間の本質を知りたければ 芥川龍之介です 地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちてしまう ... 「天国と地獄」を示す、この話の材源は、ドイツ生まれのアメリ…

『いしぶみ 』 広島ニ中一年生 全滅の記録

The City of Hiroshima 碑に刻まれた旧制・広島二中の一年生321人幼くしてこの世を去った彼らが最期に残した言葉とは、何だったのだろう 彼らの未来を一瞬にして奪った原子爆弾 昭和20年8月6日は、朝から暑い夏の日でした。この日、広島二中の一年生は、建物…

『舟を編む』 三浦しをん

辞書は、言葉の海を渡る舟海を渡るにふさわしい舟を編む あらすじ 出版社のさえない営業部員馬締光也(まじめみつや)は、「右」を定義せよという質問に答え、言葉への鋭いセンスを買われて辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の…

『キュリー夫人』 ラジウムを発見した女性科学者

Wikipedia引用 マリア・スクウォドフスカ=キュリー (1867-1934) 現在のポーランド出身の物理学者・化学者で、フランス語名はマリ・キュリー。キュリー夫人の名で有名ですね。放射線の研究で、1903年にノーベル物理学賞、1911年にはノーベル化学賞を受賞。今…

『読書脳 ぼくの深読み300冊の記録』 立花 隆

読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 (文春文庫) 作者: 立花隆 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 「読書日記」6年分を収録 電子書籍と紙の本では脳の働きが違う。本のデジタル化によって「読む」…

幕末の思想 「水戸学」

幕末の思想は尊王攘夷を基本に民衆が近代の扉を開いた ペリー来航にはじまる 幕末という独自の時代の空気の中で登場し、育まれていった一群の思想が存在しました。そんな幕末の思想は、ペリー来航に始まったといってもいい。幕府はペリーの威圧に屈して翌年…

『はやぶさ、そうまでして君は』 日本の宇宙開発

KAGAYAギャラリー提供画像 日本の宇宙開発の歴史を変えた前人未到のプロジェクトその全容がここに 小惑星探査機「はやぶさ」 どうして君は、それほどまで、我々の指示に応えてくれるのか?地球に向かう軌道の精確さ、大気圏再突入の精確さを追求することは、…

『おろしや国酔夢譚』 井上 靖 

幕末の開港前に日本とロシアでは民間レベルでの交流があった 大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう) 1782年、船頭大黒屋光太夫ら17人の男と、廻米・木綿等を積んだ神昌丸は伊勢から江戸へ向かった。9か月後、彼らが流れ着いたのは、北の果てカムチャッカだっ…

『ガリバー旅行記』 ジョナサン・スウィフト

『ガリバー旅行記』 大の冒険好きで船医のガリバーが乗った船が大嵐にあいました。ある島で目覚めたガリバーはびっくり! こびとがまわりにぞろぞろ。そう「こびとの国」だったのです。 人間観察と風刺 『ガリバー旅行記』では、スウィフトはガリバーを「小…

『ぼくはこんな本を読んできた』 立花隆の読書論

立花隆の「知の世界 」構築のノウハウ 純粋的知的欲求が「文明社会」を築く ギリシャの哲学者であるアリストテレスの『形而上学』に「人間は生まれながらにして知ることを欲している」とあり、人間というのは、最も基本的な欲求として、知りたいという欲求を…

『慶應幼稚舎』 福澤諭吉の教育思想

「独立自尊」という理念個人が平等であることを担保とするためには、一人ひとりが独立していなければならない。個人の独立があってはじめて国が独立できる。 実は「体育会系」 慶應幼稚舎と聞くと、セレブな家庭の子どもが通う学校、親は大企業の社長や老舗…

「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか

自分の最期は自分で決める胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか? 「尊厳死」と「安楽死」 平穏死、自然死、尊厳死は、ほぼ同義語と考えていい。「平穏死」は、老衰や認知症の終末期、あるいは末期がんや臓器不全によるもの。「自然死」は文字通り、自…

『桜田門外ノ変』 吉村 昭

吉村昭の『桜田門外ノ変』 安政七年(1860年)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。 安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこっ…

映画『ちはやふる 上の句』

累計1,700万部を超える人気漫画『ちはやふる』を映画化 競技かるた人気 競技かるたを題材とした青春漫画『ちはやふる』(末松由紀)の大ヒットで、日本の伝統文化の競技かるたが有名になり、人気が高まっています。また外国人の競技かるたへの関心も高まって…

「土用の丑の日」と万葉集 起源は1200年前

夏バテに鰻を食べる、は1200年前から 「土用の丑の日に鰻を食べる」が習慣になったのは、江戸時代に平賀源内がひろめたとして知られています。しかし、源内はゆえなく夏にうなぎを食べようと言い出したわけではありません。もともと「夏バテには鰻でスタミナ…

『未来の年表』 人口減少日本でこれから起きること

人口減少の日本でこれから起きること 少子化は国家を根底から揺るがす「静かなる有事」 日本の喫緊の課題を改めて整理するなら4点に分けられると。1つは、言うまでもなく出生数の減少。2つ目は高齢者の激増。3つ目は勤労世代(20〜64歳)の激減に伴う社…

本を読むときに無意識にしていること

普段、本を読むときに特別に心がけていることなど、あまりないのですが、なにか無意識にいろいろなことをしているようです。以下に思いついたことを箇条書きにしてみました。 ① わからない漢字や用語はその場で調べる 本を読んでいて、読めない漢字や忘れて…

『桜の樹の下には』 梶井基次郎 

桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ 『桜の樹の下には』 前回の『檸檬』に続いて、今回は『桜の樹の下には』です。わずか4ページの小品ですが、いきなり屍体(したい)が桜の樹の下に埋まっているという、衝撃的なはじまりで…

『ふたつめのボールのようなことば。』 糸井重里

糸井重里詩的で、哲学的でわかりやすいことば ひとりでもやる 「ひとりでもやる」って開き直ると、別のひとりが集まってくる カッパは待っている じぶんがカッパだとしたらさ川のほとりにしゃがみこんで、なにを待つと思う?カッパだよじぶん以外のカッパを…