きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『嫌われる勇気』 人生に意味なんてない?


人生に意味なんてない?

 人の人生に意味はあるのか?  その答えは「一般的な人生の意味はない」というもの。たとえば戦禍に巻き込まれて命を落とした子どもたちを前に「人生の意味」など語れるはずもない。つまり、人生には一般論として語れるような意味は存在しない。しかし、そうした不条理なる悲劇を前にしながら、なにも行動を起こさないのは、起きてしまった悲劇を肯定しているのと同じどんな状況であれ、われわれはなんらかの行動を起こさねばならない。仮に、大きな天災に見舞われたとき、原因論的に「どうしてこんなことになったのか?」 と過去を振り返ることに、どれだけの意味があるのか?われわれは困難に見舞われたときにこそ前を見て「これからなにができるのか?」 を考えるべき。そこでアドラーは「一般的な人生の意味はない」と語ったあと、「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」と。

 

ルフレッド・アドラー
(1870~1937年)オーストリア出身。精神科医、心理学者。フロイトユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した一人。

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え