思考停止という病

 

思考停止という病

思考停止という病

 

 

頭のいい権力者ほど、思考停止を望む

メディアや国家は権力者です。権力者というのは、権力を維持するため、国民に思考停止して欲しいと思っています。それは当然で、国民に自分で考えられたら非常に困るからです。

政権与党は、有権者の一人ひとりが自ら考えるようになると、自分たちに投票してはくれないだろうと危惧しています。TPPや特定秘密保護法案、集団的自衛権など近年は国論を2つに分ける法案が立て続けに議会を通過しました。日本はご存じの通り、三権分立を掲げていますが、政権与党は行政や立法に対して口を挟まれるとやっかいなので、国民が考えない状態をつくりたいと思っています。そこで活用されるのが、マスメディアです。

たとえば、2005年頃、日本政府とある広告会社がB層戦略」というものを編み出しました。これは、小泉内閣の進める郵政民営化に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した小さな広告会社が、小泉政権の主な支持基盤として想定した概念です。

A層は 「IQが高く、自分の頭で考えられる人たち」
B層は 「IQが低く、テレビや雑誌しか見ない人たち」
C層は 「IQが高く、構造改革に反対している人」
D層は 「IQが低く、構造改革に反対している人」

 

ここで狙われたのが、B層と呼ばれる人たちでした。なぜなら、日本で一番多く、自分で考えられない人のほうが洗脳しやすいからです。このB層に対して、小泉政権はテレビメディアを通じて情報戦をしかけました。

構造改革をしなければ日本に未来はない」

国論は二分され、この戦略が、小泉政権下で郵政民営化を推し進める結果につながったことは周知の事実です。その結果、単純化された話しかわからない人が増え、結果的に、どんどん日本人の思考力を落とす方向に進んでいったように感じます。

情報弱者という言葉がありますが、端的に言えば、自分で考えられないバカな人です。企業は頭のいい人よりも、情報弱者にモノを売りたいと思っています。モノを売るためには、頭がいい人に売るよりも、バカな人に売るほうが簡単だからです。B層戦略とまったく同じ。だから、ダイエット商品、健康食品をバカな人向けに売っているのです。

権力者はバカな人をつくりたがっていますし、メディアもバカな人が多いと思って、バカな人向けに情報を流します。なぜ、そんなことをするかというと、すべてビジネスだからです。エリート向けにテレビ番組をつくっても、誰も見てくれませんから、ある意味しょうがないかもしれませんが、このままでは日本はバカだらけの国になってしまいます。バカな人になりたくなければ、テレビの情報に洗脳されずに、自分で情報を取り、自分で考える必要があるのです。

(本書より抜粋)