『東大教授が教える独学勉強法』 柳川範之
通信制大学から東大教授になった
自らの体験に基づく、必要な学び方
もう一度学び直したい人へ
高校へ行かず、通信制大学から東大教授になった、自らの体験に基づく、いま本当に必要な学び方。学者・研究者になりたい人はもとより、資格試験合格を目指す人、趣味を極めたい人、もう一度学び直したい人等々、あらゆる向学心に応える本。
なぜ人は勉強するのか
独学は学び方の基本であり、進路を変更したい、職場を替えたい、生き方を変えてみたい、そんなことを考えている人には独学がおすすめ。勉強とは人生方向転換をするための手段なのです。
私たちは何のために勉強するのか。それは生きていくための知恵を身につけるため。例えば、人間が生きていくには、選択を迫られる場面が何度も出てきます。そういう場面において「少し自信を持って決められるようになる」というのが本来の勉強の目的であり、成果だと思う。
勉強の本質は「考えること」
ネットやモバイル機器が発達したことで、勉強の形は変化しているが、勉強の本質が変わったわけではなく、深く考えることの重要性のウエイトが高まってきている。自分の人生に役に立つ、人生が豊かになっていく学び方が必要。
答えのある問いから答えの無い問いへ
高校までの勉強というのは、必ずどこかに正解がありました。受験勉強もまた、正解か不正解かしかない世界です。しかし、実際には深く勉強していけばいくほど、正解がないというケースがあちこちに出てきます。学者が研究している問題のほとんどは、はっきりした答えというものはありません。答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強が必要になります。
独学のメリット
独学とは、自分が学びたいことを自分のペースで学び、考えていくことです。自分に合った教材を選べることも。また、すぐに人に聞けないから、自分で考えるクセがつきます。
本の読み方
まず、本の中に正解を探さないということ。新聞などを読んでいても、書いてあることをそのまま鵜呑みにして信用しない。なんでも疑問を持って、疑ってかかるクセをつけてみる。疑問を持つことでいろいろな発展が考えられる。本というのは、あくまで読者が自分で考えていくための材料ででしかなく、本を読むのが大事だと言われるのは、書かれている内容に対して、自分がどう思うか、どう考えるか、疑問をぶつけていくことで自分なりの考えを深めていけるからです。
学びの成果をアウトプットする
人に伝えようとすることで学びはさらに深まる。学びの成果を文章にして、第三者に伝えるという作業で、自分がいかに理解できていないかがわかり、結果的に自分の理解度も深まります。ブログやSNSで自分の考えを発表するという方法もあります。その際は、「自分の言葉で書く」ということです。また中学生やお母さんにも理解できるように「やさしく書く」こと。
『東大教授が教える独学勉強法』からの抜粋です