きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『とんび』 重松 清

 

とんび (角川文庫)

とんび (角川文庫)

 

 

あらすじ

 昭和37年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族3人の幸せを噛みしめる日々。しかし、その団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう。
 アキラへの愛あまって、暴走し、時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通じて、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。(本書より)

 

堀江貴文推薦の一冊

 2006年に証券取引法違反の容疑で逮捕されたホリエモンこと堀江貴文が、長野の刑務所に収監されていた間に1,000冊に及ぶ本を読んだという。小説からノンフィクション、伝記ものから歴史もの、ベストセラーからマニアックな学術書まで、せっかくの機会だと思ってとことん読みあさったそうです。。その中で、もっとも感動した小説が、この「とんび」だったと。NHKとTBSでそれぞれドラマ化されたこともあり、読んだことのある人も多いと思います。堀江さんは、過去の自分と重ね合うところがあり、また収監中の感傷的な気持も手伝ってか、本を読んでこれほど泣いたことはない、というくらい滂沱の涙を流したといいます。