きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

生は偶然、死は必然 

 


死は、生命の最高の発明
スティーブ・ジョブズ

誰も死にたくない
天国に行きたいと思っている人間でさえ
死んでそこにたどり着きたいとは
思わないでしょう

死は我々全員の行き先です
死から逃れた人間は一人もいない
それは、あるべき姿なのです

死はたぶん、生命の最高の発明です
それは生物を進化させる担い手
古いものを取り去り、新しいものを生み出す

いま、あなた方は新しい存在ですが
いずれは年老いて、消えていくのです
深刻な話で申し訳ないですが
真実です

 

新たなる見解

 「発明」とは、従来みられなかった、新規なものや方法を考え出すことであって、新たなる見解が持てるということ。新境地に立てるということ。そう考えると「死」と向き合って、自分の人生が「有限」だと理解することは、場当たり的な人生の生き方を改めさせ、確かな一歩を歩いて行こうと奮起させる、最高の発明です

 

仏教思想の影響

 ジョブズは、曹洞宗の僧侶である乙川弘文氏を師事し、仏教を改めて学ぶようになりました。彼から禅について学び、精神的に救われたと言われます。成功者となりお金に困らなくなった時でも質素な生活をしていたのも、Apple製品に見られる徹底したシンプルさも、仏教思想の影響があったのでしょう
 人はいろいろな条件がかさなって偶然に生まれ、そして「命」は必ず死を迎えます。お釈迦様の、生は偶然、死は必然、を思い浮かべてしまいます。