きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

映画『イミテーション・ゲーム』 アラン・チューリング

 

 

第87回アカデミー賞脚色賞受賞・作品賞含む8部門ノミネート作品
コンピュータ科学の祖として知られる科学者アラン・チューリングの波瀾の人生を映画化。

 

映画化になった波瀾万丈の人生

 彼がいなければ今日のコンピュータは存在していなかったかもしれない。コンピュータの概念を初めて理論化し、エニグマの暗号解読により、対独戦争を勝利に導いたアラン・チューリング。しかし彼の生涯は罪に問われた同性愛者としての私生活や、さまざまな説が流れる死まで、波瀾万丈なものだった。映画「イミテーション・ゲーム」に、その短くも激動の人生が描かれています。

 

チューリングのもう一つの顔

 チューリングは、1947年に行われたマラソン競技で、2時間46分3秒という記録を残している。当時としては世界記録クラスのかなり速い長距離ランナーだった。ケンブリッジ大学の学部生だった頃は、往復の通学路50キロメートルを走っていたという。映画でも、走っているシーンが出てくる。

 

暗号機エニグマの解読に挑む

 英国政府が50年以上隠し続けた、天才アラン・チューリングの真実の物語。1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。天才数学者アラン・チューリングは英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。エニグマが世界最強と言われる理由は、その組み合わせの数にあった。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組み合わせを調べ終わるまでに2000万年かかるという。

 

解読に成功するも手を出せない

 暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。そして、チューリングは遂にエニグマを解読する。しかし、解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、チューリングの人生はもちろん、仲間との絆さえも危険にさらすものだった。それは暗号解読により、ドイツ軍の攻撃目標が暴かれるが、策を取れば暗号が解読されたことを意味する。攻撃されることがわかっていても手を出せない。そして計画は実行されてしまう...