注文の多い料理店 宮沢賢治

 

 
理想郷「イーハトーブ」に生きた
無名の詩人 宮沢賢治 

 

注文の多い料理店

二人の紳士が山へ猟に入りました。獲物を追ううちに迷ってしまった二人は、レストランを見つけますが ... 
短編なので10分もあれば読めます。もちろん大人も子供も楽しめます。この童話のタイトル『注文の多い料理店』がポイントですね。きっと食べきれないくらいのたくさんの料理が出てくるんでしょう。でも、読み終わったあとに、なんだそうだったのかと。

 

レストラン「山猫軒」

登場する二人の紳士がごちそうを期待しているのに対して、レストラン「山猫軒」の親分は二人の紳士をごちそうにしようと企んでいるという思惑の違い。そしてまた二人の紳士がごちそうを食べようと思いつつ、実際は自分たちが食べられる下ごしらえをしているという、とんでもないことに。徐々に、なんだかおかしいと感じ始め、自分たちの勘違いに気づくまでの経緯が楽しいです。

 

人間への警告か

最後の扉の奥から親分の話し声が聞こえてきます。会話から人間を食べるのも、この親分だろうと思います。また猫のような鳴き声がするので、たぶん親分は大きな猫なのかもしれません。動物の命を平然と奪う人間への警告なのか、あるいは山の神が人間を生贄にして食ってしまおうと、人間に自分で下味をつけさせてしまうんです。

 

唯一、生前に出版した作品

宮沢賢治は生前、数多くの詩や童話を書きました。しかし、生きている間に世に出たのは、詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』の二冊だけ。それも自費出版によるもので、まったく売れなかったといいます。賢治の文学は死後に評価され、多くの未発表作品が世に出ました。作品は多くの人に愛され、絵本やアニメ、映画にもなりました。

 

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Wikipedia引用

宮沢賢治(みやざわけんじ

本名は宮澤賢治。1896年(明治29年)岩手県花巻市の裕福な商家の長男として生まれる。農林学校を卒業後、農学校で教鞭を執るかたわら、詩や童話の創作活動に励み、『春と修羅』や『注文の多い料理店』を自費出版する。心の中の理想郷「イーハトーブ」をモチーフにした童話を多く残す。その後、農民の現実に直面し、農学校を退職。農村の改善活動を行う羅須地人協会を設立し、農村の発展に尽力した。おもな作品に『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』など。詩人・童話作家。1933年(昭和8年)急性肺炎のため死去。享年37歳。

 

注文の多い料理店 (ハルキ文庫 み 1-4 280円文庫)