きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『ボールのようなことば。』 糸井重里 

 

糸井重里
詩的で、哲学的で
ユニークなことばです

 

ちょっとださい

「かっこいい」ことのなかには
微量の悲しさが含まれているような気がします
逆に「ちょっとださい」ということのほうに
調和的な、満ち足りた美しさがあるんじゃないか

 

誰かに伝わる

じぶんがつくった歌を、誰かが歌ってくれたり
じぶんたちがつくった服を、誰かが着てくれたり
じぶんが書いた文章を、誰かが読んでくれたり
そういうことって、ほんとうにうれしいことです
じぶんのためだけに歌う歌もあるでしょうし
じぶんが書きたいというだけで書く文章もありますが
それはそれで、いいんです
でもね、誰かに伝わるというのは
ずいぶんうれしいものです

 

紙一重

よく「紙一重の差」っていうけれどね
その「紙一重」というのが、差ってものなんだよね
「紙一重」で敗れる側というのは
たいてい、ほとんどの場合「紙一重」で敗れるんだ
「紙一重」で勝った側は、いつもその勝つ側にいる
厳しいけど、「紙一重」の差こそが
いわば「めしのタネ」であり
それを目指して誰もが努力や工夫をしているわけです

 

肯定的どっちでもいい

たいへんに愛情に満ちた「どっちでもいい」ってのはあるよ!

 

役に立たないことに

人間、はっきりと役に立たないことに夢中になるべきだよね
「なんでこんなことに夢中になってるのか?」と、
じぶんにも説明できないこと、やるべきだよね
そして、それは自慢することでもなく
ひっそりと、熱心に、むだに、やるべきでしょう

 

 

ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)

ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)