きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

オーラル・ヒストリー 御厨 貴

 

大学院主催のオープンゼミ

 都内にある大学院主催のソーシャルデザインオープンゼミが秋葉原でありました。当日は千代田区有形文化財に指定されている建物での開催です。講師は東京大学名誉教授の御厨貴さん。ちょうど衆議院解散総選挙と重なり忙しい時期にもかかわらず、懇親会までおつきあい頂きました。天皇陛下の退位に関する政府有識者会議で座長代理を務めた御厨貴さんですが、そのことについての質疑もあり、貴重な時間になりました。

 

テーマは「オーラル・ヒストリー」
 御厨貴さんは、アメリカ流のオーラル・ヒストリーの手法を日本に持ち込み、これまで多くの政治家や関係者の聞き取り調査を行っています。
 そもそも、オーラル・ヒストリーとは何か。口述歴史ともいい、歴史研究のために関係者から直接、話を聞き取り記録としてまとめること。日本にも ” 談話速記 ” という形での当事者の聞き書きをまとめる伝統があったのです。統治に携わる人のそれは、明治以来営々として積み重ねられてきました。

異色の人との出会い

 ジャーナリスティックな視角を持つオーラル・ヒストリーの新企画として、異色の警察官僚、名官房長官たる後藤田正晴が決まり『情と理』として出版され、文庫にもなっている。その後、七年余りにわたり官房副長官を勤めた石原信雄のオーラル・ヒストリーを行い、『首相官邸の決断』を中央公論社から刊行。また、読売新聞社渡邉恒雄も『渡邉恒雄回顧録』として出版。ほかに、堤清二×辻井喬『わが記憶、わが記録』及び山崎正和『舞台をまわす、舞台がまわる』など多数。(配布されたレジュメより)

 

 

オーラル・ヒストリー―現代史のための口述記録 (中公新書)

オーラル・ヒストリー―現代史のための口述記録 (中公新書)