きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

そのほか選書

『手塚治虫シェイクスピア漫画館』 6作品収載

手塚治虫がシェイクスピアの6作品を題材に描いたマンガ を収載 手?治虫シェイクスピア漫画館 作者: 手塚治虫 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2017/12/08 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 手塚治虫生誕90周年記念刊行 本書は手塚治虫…

人は文学や文化なしに生きられるか

強制収容所から聞こえてきたアンナ・カレーニナで不思議なことが起こった 生きる証しを求めて 神が創造した最初の男女、アダムとイヴ。旧約聖書によると、ある日二人は蛇に誘惑されて神から禁じられていたりんごの実を食べてしまい、楽園から追放された。下…

又吉直樹 『第2図書係補佐』 珠玉の47冊を紹介

お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治江戸川乱歩などの作品を紹介 第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫) 作者: 又吉直樹 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2011/11/23 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 97回 この商品を含むブログ (92件) …

大学主催の「ロシア語フェスタ」を覗いてみた

ロシア語フェスタは今年で8回目 都内近郊にある大学で先日開催されたロシア語フェスタは、学生たちが主体のイベントでした。学園祭のノリという印象は拭えないものの、それでも趣向を凝らし、詩の朗読やチェーホフの劇、パロディー風なロシア語ニュースなど…

『逆説の生き方』 外山滋比古 不幸の中で幸福を見つける

教え子に色紙をねだられてしたためた一句がとんでもないことに ... 浜までは海女も蓑きる時雨かな 瓢水(ひょうすい)「浜までは海女(あま)も蓑(みの)きる時雨(しぐれ)かな」 この瓢水ってどういう人? 上の句は、著者の外山先生が還暦を迎えた教え子…

『プーチンの実像』 山下泰裕へ贈った言葉

悪魔でもない救世主でもない等身大の人間プーチンを知りたい 朝日新聞国際報道部が、「プーチンを直接知る人たち」へのインタビューを重ね、伝聞や憶測ではない証言を集めることで、プーチンの人間像を多面的に描いたとする本書は、はたしてその実像に迫るこ…

「主要な文学思潮」 近代文学の種類がわかる

今、日本人が読むべき近代文学その思想を解説する 近代文学とは 日本文学においての近代文学とは諸説あるが、明治維新以降、文明開化から1945年(昭和20年)の終戦までに生れた文学作品とある。明治から昭和までの主要な文学思潮を頭に入れておくことで、近…

20世紀の芸術を変えた「バレエ・リュス」

先鋭的な芸術として生き返らせたニジンスキーとディアギレフ バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び バレエ・リュスは奇跡のロシアバレエ団 バレエ・リュスはロシア出身の芸術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフが主宰したバレエ団である。1909年にパリ…

「ほめる」は魔法のくすり 外山滋比古

驚異のピグマリオン効果願えばかなう 知的文章術~誰も教えてくれない心をつかむ書き方 (だいわ文庫 E 289-5) 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2017/08/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る ほめると目に見えて上達する 学校で…

オーラル・ヒストリー 御厨 貴

大学院主催のオープンゼミ 都内にある大学院主催のソーシャルデザインオープンゼミが秋葉原でありました。当日は千代田区の有形文化財に指定されている建物での開催です。講師は東京大学名誉教授の御厨貴さん。ちょうど衆議院解散総選挙と重なり忙しい時期に…

『命の一句』 世界でいちばん小さなメッセージ

最短詩型だからこそその中に無限の小宇宙がひろがる 命の一句―世界でいちばん小さなメッセージ 作者: 石寒太,江成常夫 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2008/07 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (1件) を見る 天国はもう秋ですかお…

『塩のはなし』 忠臣蔵は塩が原因だった

塩の発見 塩は、空気や水とともに人間が生きていくために欠かせない大切なものです。では、わたしたち人類の祖先は、いつごろから塩を使っていたのでしょうか。日本では、縄文時代の終わりから弥生時代にかけてのころではないかといわれています。いまからお…

『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』

なぜ、日本は米国の意向を「拒否」できないのか? オスプレイの高い事故率 オスプレイは爆撃こそ行わないが、単なる輸送機ではない。遠く離れた紛争地点に、兵士とさまざまな武器をピンポイントで送りこみ、敵の拠点を制圧するための戦術輸送機なのです。け…

憲法を知ると世の中の見方が変わる

知らないでは済まされない憲法の内容や成り立ち 国の基本を定めたルール 憲法は、国の基本を定めたルールです。法律とは違います。どこが違うのか。法律は国民が守るべきルール。しかし、憲法は国の仕事をする人が守るべきルールです。 国の権力は、日本では…

『思考の整理学』 外山滋比古

東大で一番読まれた本もっと若い時に読んでいれば ... 思考の整理学 (ちくま文庫) 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1986/04/24 メディア: 文庫 購入: 91人 クリック: 844回 この商品を含むブログ (747件) を見る 200万部を超える大ベス…

『蟹工船』 小林多喜二

あらすじ 海軍の保護のもと、オホーツク海のロシア領海で密漁する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。” 国策 ” の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキに踏み切るが、船を所有する会社は海軍の力を借りてこれ…

人生うまくいかない時は 美輪明宏

悪い時期は、知の財産を増やしなさい NHK『あさイチ』へゲスト出演した美輪明宏。視聴者から寄せられた相談への回答が、素晴らしいと話題になったことがあります。 相談は、「人生うまくいかないなと思った時、どう切り換えればいいですか。悪いことしか思い…

いしぶみ  広島ニ中一年生 全滅の記録

碑に刻まれた旧制・広島二中の一年生321人幼くしてこの世を去った彼らが、最期に残した言葉とは、何だったのだろう The City of Hiroshima いしぶみ―広島二中一年生全滅の記録 (ポプラポケット文庫) 作者: 広島テレビ放送 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日:…

『キュリー夫人伝』 ラジウムを発見した女性科学者

今世紀の原子力・核の時代を切り開き、パリ大学初の女性教授に就任したキュリー夫人 Wikipedia マリア・スクウォドフスカ=キュリー (1867-1934)現在のポーランド出身の物理学者・化学者で、フランス語名はマリ・キュリー。キュリー夫人の名で有名ですね。放…

幕末の思想 「水戸学」

幕末の思想は尊王攘夷を基本に民衆が近代の扉を開いた ペリー来航にはじまる 幕末という独自の時代の空気の中で登場し、育まれていった一群の思想が存在しました。そんな幕末の思想は、ペリー来航に始まったといってもいい。幕府はペリーの威圧に屈して翌年…

『はやぶさ、そうまでして君は』 日本の宇宙開発

KAGAYAギャラリー提供画像 日本の宇宙開発の歴史を変えた前人未到のプロジェクトその全容がここに 小惑星探査機「はやぶさ」 どうして君は、それほどまで、我々の指示に応えてくれるのか?地球に向かう軌道の精確さ、大気圏再突入の精確さを追求することは、…

「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか

自分の最期は自分で決める胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか? 「尊厳死」と「安楽死」 平穏死、自然死、尊厳死は、ほぼ同義語と考えていい。「平穏死」は、老衰や認知症の終末期、あるいは末期がんや臓器不全によるもの。「自然死」は文字通り、自…

「土用の丑の日」と万葉集 起源は1200年前

夏バテに鰻を食べる、は1200年前から実は縄文時代から食べられていた マーケティングの達人、平賀源内もびっくり 「土用の丑の日に鰻を食べる」が習慣になったのは、江戸時代に平賀源内がひろめたとして知られています。しかし、源内はゆえなく夏にうなぎを…

『未来の年表』 人口減少日本でこれから起きること

小さくてもキラリと輝く国を自分たちの手で作り上げられるか 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 作者: 河合雅司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/06/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 少子化は国家を…

本を読むときに無意識にしている8つのこと

本を読むときの8つの習慣 普段、本を読むときに特別に心がけていることなどあまりないのですが、なにかいろいろなことをしているようです。以下に、思いついた8つのことを箇条書きにしてみました。最初は意識的にしていたこともありましたが、慣れると無意…

『ふたつめのボールのようなことば。』 糸井重里

糸井重里詩的で、哲学的でわかりやすいことば ひとりでもやる 「ひとりでもやる」って開き直ると、別のひとりが集まってくる カッパは待っている じぶんがカッパだとしたらさ川のほとりにしゃがみこんで、なにを待つと思う?カッパだよじぶん以外のカッパを…

日本人なら知っておきたい「古事記と神宮」

格式の高い神社を「神宮」大きな神社を「大社」という 古事記と神宮について 古事記には、神社の由来、たくさんの神様や天皇のことが出てきます。また、桃太郎や一寸法師、浦島太郎、因幡の白兎などの元の話も出てきます。さらに国の成り立ち、祝祭日の起源…

『ボールのようなことば。』 糸井重里 

糸井重里の詩的で、哲学的でユニークなことばです ちょっとださい 「かっこいい」ことのなかには微量の悲しさが含まれているような気がします逆に「ちょっとださい」ということのほうに調和的な、満ち足りた美しさがあるんじゃないか 誰かに伝わる じぶんが…

「罪のない者だけが石を投げよ」 ヨハネによる福音書

あなたたちの中で罪を犯したことのない者がこの女に、まず石を投げなさい 「姦通の女」ヨハネによる福音書第8章3〜11節 聖書の中に、姦通罪で捕らえられた女性をめぐって、主イエスと律法学者たちが対決する場面があります。旧約の律法では、姦通罪は石打ち…

「髪切った?」は、魔法の言葉

「髪切った?」には意味がある いい空気を一瞬でつくる 2013年に発売された『タモリ論』(新潮社)に、タレントのタモリさんが「髪切った?」と聞くのは話すことがないからとあります。でもそこに意味があるという。実はこの言葉には「いい空気をつくる」チ…