きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『ミライの授業』 瀧本哲史 

 

14歳のきみたちへ

 紀伊國屋書店で何気なく手にした一冊が、なかなか良い内容だったので紹介します。14歳のきみたちへ、とあるように本書は中学生に向けた「新しい時代を生き抜くための考え方」について、実際の特別授業の模様を書籍化されたものです。

どうして勉強しなくちゃいけないんだろう?
なんで学校に行かないといけないんだろう?
理科や数学の知識が社会に出て、なんの役に立つんだろう?

 これらの問いに実に明快に、そしてとても素敵な答えが語られているんです。講義は、語り口はやさしくても中身は超本格派です。大学生はもちろんのこと、大人たちでさえ、知らないような「未来をつくる5つの法則」を話していきます。
 14歳のきみたちには、未来がある。可能性がある。そして、かつて14歳だった大人たちには、知識がある。経験がある。もう一度、人生を選びなおすだけの時間も残されている。たった一度しかない人生は、今日という日を境に変えることができるのだと。

 

過去を知り、過去に学ぶ

 「ミライの授業」というタイトル。本気で未来をつくろうと思うなら、過去を知る必要があると説く。マンモスを追いかけるような原始時代からはじまった人類の歴史は、さまざさな「世界を変えた人たち」の努力によって前進し、未来を切り拓き、文明を発展させてきた。もしも彼らが現れなかったら人間なんてとっくに滅びていたかもしれない。そこで未来をつくるために総勢20人の人物を中心に過去を知る。
 歴史を学ぶのは「過去になにがあったか」を知るためではなく、「これからどうするか」を考えるために歴史を学び、過去の変革者たちを学ぶ。かつて14歳だった大人にこそ読んでほしい。

 

本書に登場する20人の変革者

 ニュートンフランシス・ベーコンヘンリー・フォードナイチンゲール高木兼寛森鴎外コペルニクスコロンブス大村智ビルゲイツエジソン、嘉納冶五郎、ベアテ・シロタ・ゴードン、ココシャネル、伊能忠敬サッチャー、メンデル、JKローリング、緒方貞子そしてもう一人は?

 

ミライの授業

ミライの授業