きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『職業は武装解除』 瀬谷ルミ子

 

職業は武装解除 (朝日文庫)

職業は武装解除 (朝日文庫)

 

 

私は三十四歳、職業は武装解除です
「壊れた社会」を立て直す、それが私の仕事

 

平凡な少女の運命を変えた

 なんとも勇ましいが、瀬谷ルミ子さんはいたって普通の女性だ。17歳のときに見た写真が、平凡な少女の運命を変えた。「武装解除」のプロとして、24歳で国連ボランティアに抜擢、30代で各界の注目を集めるに至るまで、いくつもの組織を渡り歩いてきた著者が、その半生を綴る。

 

人生を自分の手で変えられる権利

 高校三年生のときに、ルワンダの内戦の様子が撮影された写真を見て、なすすべもなく命を落としていく人々の様子と自分を比べ、自分には「自由に行動をする権利」があるということに気がついた。人生を自分の手で変えられる、その権利は、世界の誰もが持っているものではない。どうせだったら、できることから、少しずつでもやってみよう。そして物語がはじまる。

 

目標のルワンダ

 目標は定まった。すぐに紛争解決について勉強できる大学を調べた。国際的なベースがありながら何でも学べそうな中央大学総合政策学部に進学する。大学三年生の夏に、ルワンダの首都キリガの空港にたどり着いた。とうとう目標だったルワンダにきた! 単身で向かう不安より、嬉しさのほうがはるかに勝っていた。

 

ニューズウィーク誌選出

 日本の大学では紛争解決を学ぶ機会がなかったので、卒業後はすぐに海外の大学院に行きたかった。その頃、新聞で偶然、イギリスのブラッドフォード大学に「平和学部」があり、「紛争解決学の修士号」が取れることを知り、志望する大学院はすぐ決まった。修士課程在学中に、秋野豊賞を受賞。数々の武装解除を担当する。2011年に、ニューズウィーク誌(日本版)の「世界が尊敬する日本人25人」に選出された。

 

・人生が変わった瞬間
・イギリスで学んだ「紛争解決学」
・子ども兵士は加害者か、被害者か
・二十四歳で国連ボランティアに
武装解除、この功罪
アフガニスタン軍閥を解体
カルザイ大統領から求められた助言
・紛争とは平和とは
・ボーダーレスな世界に必要なもの
・私たちに残された選択肢 など