きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

映画『ちはやふる 上の句』





累計1,700万部を超える人気漫画
ちはやふる』を映画化 

 

競技かるた人気

 競技かるたを題材とした青春漫画『ちはやふる』(末松由紀)の大ヒットで、日本の伝統文化の競技かるたが有名になり、人気が高まっています。また外国人の競技かるたへの関心も高まっているというのです。競技かるたに没頭する少女の青春を描いた作品は、現実社会の競技かるた浸透にも影響をおよぼしました。漫画は累計1,700万部を超え、いまも連載が続いています。

 

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
からくれなゐに 水くくるとは
在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)

神代(かみよ)の昔にも、こんな神秘的なことがあったとは聞いたことがありません。龍田川(たつたがわ)の水面に紅葉(もみじ)が舞い散って、水を真っ赤にしぼり染めにするとは。

 

ちはやふる』とは

 タイトルになっている『ちはやふる』とは百人一首の中の一句で、1200年前の稀代の歌人在原業平が、禁じられた恋の相手を想って詠んだとされ、上記の歌が元になっています。歌には「私の燃える想いが、激しい水の流れを真っ赤に染め上げてしまうほど、今でもあなたを愛しています」という思いが込められており、” ちはやふる ” は ” 勢いの強いさま ” 、そしてその勢いがただ一点に集中している状態を表し、” 神 ” の枕詞として使われます。主人公の千早(ちはや)を表現し、また作品を象徴する歌なのです。

 

 映画として

 競技かるたを扱った漫画なんて珍しいですね。地味な?文化的世界にスポットライトを当てた作家さんがすごいです。そして映画自体とてもスリリングで、歌のことも学べます。思わず引き込まれ、涙するところも。競技かるたや歌の面白さが伝わってきて、とても新鮮でした。競技で目指す日本一は世界一ということ。主演は広瀬すず野村周平ほか。主題歌は Perfume で『FRASH』。本作のために書き下ろした曲です。

 

ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)