『はやぶさ、そうまでして君は』 日本の宇宙開発
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日本の宇宙開発の
歴史を変えた
前人未到のプロジェクト
その全容がここに
どうして君は、それほどまで、我々の指示に応えてくれるのか?
地球に向かう軌道の精確さ、大気圏再突入の精確さを追求することは、自身の最後、熱に焼かれて燃え尽きるという、残酷な運命を徹底することにつながるというのに。そして、その冷酷なシナリオを書いているのが、我々だというのに。
どうして、そうまでして君は ...
感動の物語の発端は、1986年の飛行計画構想からはじまった。
生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
2010年6月13日、7年間の航海の末に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は大気圏に再突入し、摩擦熱により焼失、見事にその使命を果たし終えました。上の写真は「はやぶさ」が燃え尽きる様子を、オーストラリア南部のウーメラ砂漠で撮影した写真です。
本書は「はやぶさ」プロジェクトの発端から、開発、打ち上げ、そして7年間の航海の間、著者が何を考え、どのように運用してきたかを書き綴ったものです。
NASAとの交渉、何度も死にかけ、交信の途切れた「はやぶさ」、遠のくサンプル採取、そして満身創痍の筐体があまりにも長い60億キロの旅から帰還するまでの物語。祈り、神、運命が交差する現場。決して涙なくしては読めません。
誰かの模倣で終わらないために
みんながそっちへ行くなら、私はこっちへ行く。「こうしなさい」と言われたら、別のやり方をする。高村光太郎ではありませんが「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」、そうなったら素晴らしいと思います。
何かを学んだり、習得しようとした時、こうした姿勢はきわめて非効率になります。みんなが道しるべに従って一時間で行くところを、一人で藪をかき分けながら五時間かけていくみたいなことになります。あるいは周囲から「素直じゃない」という評価を受け、疎んじられたりするでしょう。しかし、そんなことには動じない、むしろ、そのほうが気分がいいというくらいにハラをすえてしまうのです。(「はやぶさ」式思考法)より
著者からのメッセージ
① オリジナリティとは、ゼロから生まれるものではなく、既存の技術を身につけたうえで、目的に合わせて改良する過程で生まれるものです。
② 最悪ということは、次に変化があるとしたら、間違いなくプラスの変化です。
③ 高い塔を建てなければ、新たな水平線は見えてこない。
④ カプセルから見つかった約1500個のイトカワ由来の微粒子という幸運
「はやぶさ」が神様に愛されているとしか思えないほど、幸運だった、と。
著者の川口さんが、再突入の際にこんな歌を詠んでいます。
まほろばに 身を挺してや 宙繚う(そらまとう) 産の形見に(うぶの) 未来必ず
はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
- 作者: 川口淳一郎
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
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