『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』
なぜ、日本は米国の意向を
「拒否」できないのか?
オスプレイの高い事故率
オスプレイは爆撃こそ行わないが、単なる輸送機ではない。遠く離れた紛争地点に、兵士とさまざまな武器をピンポイントで送りこみ、敵の拠点を制圧するための戦術輸送機なのです。けれどもそのオスプレイが大きな構造上の欠点を持つ完全な欠陥機であることは、米軍自身の事故報告書によってすでに明らかになっている。
飛行機のようなスピードと航続距離、そしてヘリコプターのような滑走路のない場所への垂直離着陸を同時に実現するという、夢の最新型軍用機だったのです。アイデアとしてはたしかにすぐれていたのでしょうが、なにより安定性が必要なプロペラを、上に向けたり前に向けたりして頻繁に角度を変えるという構造そのものが、軍用機にはまったく不向きな脆弱性をもっている。
そのオスプレイが、2020年からは、ついに東京の横田基地にも配備され、本格的な低空飛行訓練や空中での給油訓練などが始まるのです。そうすれば、首都圏でいつ墜落事故が起きても不思議ではない。
憲法9条が見逃しているもの
主権国家にとって「他国の軍隊が自国の国境を越えて移動する権利」というのは、なにより厳重にコントロールしなければならないもの。しかし、その憲法9条のもとで、私たち日本人は世界一戦争を良くする米軍に対して「国内に自由に基地を置く権利」と、「そこから飛びたって自由に国境を越えて他国を攻撃する権利」を両方与えてしまっている。
朝鮮戦争以来、在日米軍の兵士にとって日本と韓国のあいだに国境などはなく、たった数時間で両国を行き来することも珍しくない。彼らにとって両者の違いは、日本が基地で、韓国が前線であることでしかない。
日米合同委員会
日本の超エリート官僚は、月に二度ほど、都内にある米軍基地などで在日米軍のトップたちと秘密の会議をしている。そこで決まったことは国会に報告する義務も外部に公表する義務もなく、実行できるようになっている。つまりこの会議、日米合同委員会は日本の国会よりも憲法よりも、上位の存在ということになる。
これは例えば、どこでも基地にして、いつでも軍事演習をして、たとえ日本人を殺したりケガをさせても罪に問われない。
日米合同委員会のありかたは、きわめて異常なものだ。どんな国でも、相手国の政府と最初に話し合うのは大使や公使といった外交官に決まっている。そして、そこで決定した内容を軍人に伝える。それが「シヴィリアン・コントロール(文民統制)」と呼ばれる民主国家の原則である。当のアメリカの外交官にさえ、「占領中にできあがった異常な関係」といわれている。本書には、なぜこのようなことになったのかが詳しく記述されている。
占領期の特権
(1) 米軍関係者が日本の法によって裁かれないための「裁判権」
(2) 米軍が日本の国土全体を自由に使用するための「基地権」
(3) 指揮権密約「戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」
「日本の当局は、米軍基地の外での犯罪については、米軍関係者を逮捕することができる。ただし逮捕したあとは、すぐにその身柄を米軍に引き渡さなければならない」
つまり日本の警察は、犯人を逮捕することはできるが、その後に拘留したり、尋問したりする権利はないということ。完全な治外法権ということになる。
一方、基地権については、米軍は日本全国どこにでも基地を置けるし、どんな軍事演習もすることができる、というとんでもない「密約」の存在を明らかにしている。以下に実際に起きた、米軍機墜落事件の記事を貼っておきます。