きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

小林多喜二

『キャラメル工場から』 もうひとつのプロレタリア文学

大江健三郎も認める近現代文学の流れのなかで最上の短編小説の書き手である佐多稲子 小林多喜二の『蟹工船』と同時期に発表された、佐多稲子の『キャラメル工場から』にも労働者の姿がありのままに描かれている。そこにあるのは「少女たちの集団労働」だ。 …

『蟹工船』 小林多喜二

あらすじ 海軍の保護のもと、オホーツク海のロシア領海で密漁する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。” 国策 ” の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキに踏み切るが、船を所有する会社は海軍の力を借りてこれ…