本を読むときに無意識にしていること

 

 普段、本を読むときに特別に心がけていることなど、あまりないのですが、なにか無意識にいろいろなことをしているようです。以下に思いついたことを箇条書きにしてみました。

 

① わからない漢字や用語はその場で調べる

 本を読んでいて、読めない漢字や忘れてしまった漢字が出てきますが、そんな時はなるべくスルーしないで、その場で調べるようにしています。いまの時代、簡単に調べられますから。そしてスマホにでも読みや意味をメモしておきます。そうすると自分だけの辞書ができますね。知らない用語も同じように調べます。たとえばこんな感じです。

勅語(ちょくご)天皇が国民に対して発する言葉
云々(うんぬん)でんでんではない
喫緊(きっきん)差し迫って大切なこと
杞憂(きゆう)無用な心配
恒久(こうきゅう)今の状態が変わらないで続くこと。恒久的政策、恒久の平和とか
傀儡(かいらい)あやつり人形、傀儡政権とか
今上天皇(きんじょうてんのう)在位中の天皇
帰結(きけつ)決着するところ、落ち着くところ
黄禍論(おうかろん)中国、日本の脅威
ネトウヨ(ネット上の右翼の総称)
ガバナンス(統治プロセス)、コーポレートガバナンス企業統治
ジェンダー(社会的性区別)
ダイバーシティ(多様化)
ポピュリズム(大衆に迎合し人気を得る政治姿勢)

 儚い(はかない)、穢れ(けがれ)、朗らか(ほがらか)、奢る(おごる)、滲む(にじむ)、彷徨う(さまよう)、夕凪(ゆうなぎ)、矛先(ほこさき)...  読めそうで読めないものもありますね。書くのも大変です。

 

② 引用できそうな文章や言葉はメモしておく

 本を読んでいて面白い言い回しや、よく出てくる言葉、ほかで使えそうなフレーズなどが出てきたら、メモしておきます。
 たとえば「糊口(ここう)をしのぐ」。意味は、貧しい生活を内職をしてしのぐとか。米原万里の「通訳で糊口をしのぐ」や、逆に樋口一葉は「文学は糊口の為になすべき物ならず(文学では内職にならない)」と、2つの書籍で目にしたのでメモしておきました。

 

③ 巻末の参考文献は要チェック

 一冊の本を完成させるのに著者はたくさんの本を読んでいるはずです。その著書に参考文献が記載されていたら、それにも目を通しておきます。その中からまた読みたい本がでてきたりしますしね。

 

④ 注釈や解説にも目を通す

 巻末の注釈・注解や、解説も読みます。特に内容が難しくて、すぐに理解できないときは解説が助けになります。それでもわからないときはネットで調べます。注解が、あまりにも多い本などは、読むのも一苦労ですが。

 

⑤ 冒頭と最後の一文に注目

 特に、出だしの部分は作家が全神経を注ぐところです。ここに注目します。たとえば、夏目漱石の『坊っちゃん』の冒頭部分を見てみると ...
 「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校の時分、学校の二階から飛び降りて一週間程、腰を抜かした事がある。同級生が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい、弱虫やーいと、囃したからである」
 本当に無鉄砲で、やんちゃな主人公というイメージと、これからはじまる小説全体の面白さや雰囲気が伝わってきます。

 そして最後の一文に注目するのは、たとえば、芥川龍之介の『羅生門』。平安京の都に天災や飢饉で、羅生門に運びこまれた多くの死体。門の下で雨宿りをしていた一人の下人(男)はここで飢え死にするか、盗人になるか、生きのびる道を探します。そして、盗人になるより外に仕方がないと。死体から髪の毛を抜いていた老婆の着物をはぎ取り、足にしがみつこうとする老婆を蹴り倒して、またたく間に夜の底へかけ下りた。
 鬼がすむ平安京の闇。現代には鬼はもういない、本当にそうでしょうか。羅生門で鬼となった下人のその後を、芥川龍之介は最後にこう書いています。
「下人の行方は、誰も知らない ...  」
鬼はいまも心の闇にすんでいるのです。

 

⑥ 繰り返し読む

 せっかく出会った本です、1回読んだきりでブックオフへ売ってしまうとか、処分してしまうというのはもったいないですね。気に入ったものは何度も読みましょう。読むたびに発見があります。

 

⑦ 面白くなかったら読み飛ばす

 とはいえ、なかには興味をそそらない本もあります。そんなときは軽く読み飛ばすか、あるいは思い切って読むのをやめてしまう。また、ちょっと難しそうなものは少し時間をおいてみるか、解説本やマンガ・コミック化してるものがあるのなら、そちらに目を移してみるのもいいと思います。もったいないのは難しそうだからと敬遠してしまうことです。

 

⑧ 作家・著者の顔写真を見てみる

 夏目漱石川端康成の顔は知っていても、はじめて読む作家などは、どんな人物なのか興味がありますね。どんな人生を送ってきた人なのか、また風貌や見てくれも、小説の内容と一緒に頭の片隅に入れておくと、あとでイメージしやすくなります。跡取りとして医者を期待された中原中也は、弟の死で文学の道へすすみます。30歳で亡くなるまで350編以上の詩を残しました。銀座の有賀写真館で撮った写真(下)が残っていますが、イケメンでしたね。「汚れっちまった悲しみに、なすところもなく日は暮れる...  」

  

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Wikipedia引用

 

 著作 プラハの四季