きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

『世界の名著』 マキアヴェリからサルトルまで

 

 ふるいもののなかにこそ真の新しいものがある過去の名著が現在をこえて未来につながる

 

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現代を支配してきた名著45冊

 あまりに強烈な影響を及ぼしてきたマルクス、人間行動のバネを性欲に見出すフロイト、奇怪な用語をあやつる実存主義ハイデッガー、そして近代経済の構造を大胆にデザインしたケインズなど、現代を支配してきた「名著」45冊の生々しい記録をとおして、現代日本の知識人として必読すべきポイントが何か、解かれずにのこされているナゾや批判されるべき点が何かを、30名におよぶ学界の権威が明快に解き明かす。

 

むかしの書物をなぜ読まねばならないのか

 「世界の名著」は、近代の哲学・社会思想に重点をおいており、芸術作品はすべて除外されている。「名著」とはいえ、数十年、数百年もむかしの書物を、こんにち、なぜ読まねばならないのか。ヴォルテールが、イギリス人にあててつぎのように書いた。
 「フランス人は新しいものを好むとみられています。しかし、それは料理やモードについてなのです。というのは、新しい真理はわたしたちのあいだでつねに禁じられているからです。新しい真理がうけ入れられるのは、それが古くなってからのことでしかないのです」
 本書はふるいものへの復帰を説こうとするものではない。そうではなく、ふるいもののなかにこそ真に新しいものがあることの実例を示すことが、わたしたちの意図であった。過去の名著が、目前の現在をこえて、未来につながるのである。
 本書にあつめられた著作は、すべて多少とも、当時の社会にあって異端邪説であった。世間の常識を批判するだけでなく、生命の危機さえおかして権力に抵抗して書かれたものもすくなくない。

(本書より)

 

以下は本書で紹介された45冊です

君主論マキアヴェリ(1513年稿)
ユートピアトマス・モア(1516年刊)
キリスト教綱要』カルヴァン(1536年刊)
『方法叙説』デカルト(1637年刊)
リヴァイアサンホッブズ(1651年刊)
『明夷待訪録』黄宗義(めいいたいほうろく/ こうそうぎ)(1663年稿)
『プリンキピア』ニュートン(1687年刊)
『人間悟性論』ロック(1690年)
『法の精神』モンテスキュー(1748年刊)
『人間不平等起原論』ルソー(1755年刊)

『諸国民の富』アダム・スミス(1776年刊)
純粋理性批判カント(1781年刊)
フランス革命省察エドマンド・バーグ(1790年刊)
人口論マルサス1798年初版刊)
『法の哲学』ヘーゲル(1821年刊)
『産業者のカテキスム』サン=シモン(1824年稿)
アメリカのデモクラシー』トクヴィル(1835~40年刊)
『死にいたる病い』キルケゴール(1849年刊)
種の起源ダーウィン(1859年刊)
『自由について』ジョン・S・ミル(1859年刊)

資本論マルクス(1867年第一巻刊)
『権利のための闘争』イェーリンク(1872年刊)
『世界史』ランケ(1881~88年刊)
ツァラトゥストラはかく語りきニーチェ(1883~91年刊)
『人生論』トルストイ(1887年刊)
『産業民主主義』シドニー&ビアトリス・ウェッブ(1897年刊)
『自殺論』デュルケーム(1897年刊)
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神マックス・ウェーバー(1904~5年刊)
『民主主義革命における社会民主党の二つの戦術』レーニン(1905年刊)
『哲学の諸問題』ラッセ(1912年刊)

精神分析入門』フロイト(1915~17年刊)
『民主主義と教育』デューイ(1916年刊)
『歴史と階級意識ルカーチ(1923年刊)
三民主義孫文1924年講)
存在と時間ハイデッガー(1927年刊)
イデオロギーユートピアマンハイム(1929年刊)
『近代国家における自由』ラスキ(1930年刊)
ロシア革命史』トロツキー(1932年刊)
『晩年に想う』アインシュタイン(1933~50年稿)
『新君主論グラムシ(1929~34年稿)

雇用・利子および貨幣の一般理論ケインズ(1936年刊)
『新民主主義論』毛沢東(1940年発表)
『自由からの逃走』フロム(1941年刊)
福音主義神学入門』バルト(1961年刊)
存在と無サルトル(1943年刊)

 

 

 

 

 

 

 

 03-1856