きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

年収と読書量は正比例する

 

ともかくむさぼるように本を読め
そうすれば出口は必ず見つかる

 

本書『ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方』は、速読に関する書籍ですが、実は「読書と年収の関係について」の福音とも思える記述があります。そこに注目してみました。以下は本書からの抜粋です。

 

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)

 

 

「年収と読書量は正比例する」が示唆するもの

 時代が大きく変化するいま、どうしたら困窮から抜け出せるのか、あるいはどうしたら人生をより豊かなものにできるのか。「年収と読書量は正比例する」は、その状況を打破するうえで、とても示唆に富んでいるという。

 

年収と読書量は正比例する

 読書習慣をもつだけで、情報勝者になれるのがいまの日本だ。日本経済新聞社産業地域研究所の調査によると、年収の高い人ほど書籍や雑誌の購入費が高いという結果が出ている。一部の富裕層とワーキングプア。日本人の収入格差はこれからさらに広がっていくことだろう。富める者はさらに富み、貧しい者はそこから抜け出す術すら見いだしにくい状況が今後も続く。
 しかし、「年収と読書量は正比例する」は、その状況を打破するうえで、とても示唆に富んでいる。どうやったらいまの困窮状態から抜け出せるのかと、誰もが模索している中で、「ともかくむさぼるように本を読め、そうすれば出口は必ず見つかる」といっているわけだから。(本書より)

  困窮から抜け出したい、人生をより豊かなものにしたい。「年収と読書量は正比例する」は、そう望む人への道標となるのでしょうか。それには、まず本を読んでくださいと著者はいう。そう「むさぼるように」。そうすれば出口は必ず見つかると。

 

日本人の半数が本を読まない

 文化庁が行った平成25年の「国語に関する世論調査」を見ると「1か月に1冊も本を読まない」と答えた人が全体の47.5%にものぼっている。なんと日本人の半数近くが本を読む習慣がない。また「月に1、2冊は読む」と答えた人が34.5%、「月に3、4冊」が10.9%、「月に5、6冊」が3.4%という結果。このことから月に3冊読めば、読書家として胸を張れるのがいまの日本だということだ。

 

どれくらい読めばいいか

 今回のテーマである「年収と読書量は比例する」であれば、やはり1か月で3~4冊というのは少ない読書量です。統計的にみれば申し分ない量ですが、絶対的な情報量としては少ない。ではどれくらい読めばいいのか。「むさぼるように読め」と言っているわけですから、個人的には1か月に最低でも10冊以上は必要ではないかと思います。多いと感じるかもしれませんが、習慣化され、読みなれてしまうと大した量ではなくなります。

 

なにを読めばいい?

 読むジャンルについては、著者は小説がベストだという。小説が IQを高めるのには最高の活字媒体だから。「小説を読んで涙を流す」ことで脳は登場人物のキャラクターや境遇を脳内空間の中でしっかり構築している。でなければ、涙を流すことなどできない。文字情報を脳内で、立体的に臨場感をもって構築する能力は、そのままIQを上げるのに直結すると。
 しかも、小説は情報量も莫大。例えば、時代小説や経済小説は、綿密な下調べをしたうえで書かれている。その1冊を書くために作者は数十冊もの本を読み、資料をあさり、関係者に取材してから書いている。あなたの代わりに作者が本を読み、取材までし、自分の経験談まで吐き出してくれて1冊にまとめたのが小説なのである。

 

古典がおすすめ

 個人的には、小説のほかに古典などもおすすめします。はじめて読むにはむずかしそうですが、読み始めはマンガやコミックになっているものでも構わないと思います。「ビジネス書を10冊読むんだったら、古典を1冊読みなさい」ともいわれます。長い年月を生き抜いてきたのは、多くの読者による読み直しの努力の賜物です。