『砂の女』 安部公房

 

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 


砂の女』あらすじ

 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められます。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために男を穴の中に引きとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに人間存在の象徴的姿を追求した、書下ろし長編。世界20か国語に翻訳された名作。

 

ガルシア・マルケスに衝撃

 いわゆる文豪とは距離を置いていたというが、安部公房を押す作家は多い。ドナルド・キーン大江健三郎司馬遼太郎三島由紀夫など。親友であるドナルド・キーンの薦めで、ガルシア・マルケスを読み、その作品に衝撃を受けたという。また大江健三郎は、安部公房を高く評価し、急死しなければノーベル文学賞を受けていただろうと言いました。

 

砂の意味

 長編とはいうものの文庫で300ページもないので、すぐに読めます。人間は置かれた場所に次第に順応していくものなのか。或いは、結局はどこにも辿り着けないのか。男は砂の穴から生還出来るのか、はたまた、まったく想像だにしない展開が待ち受けているのか。あの砂は何を示唆しているのか、 直径 1/8m.m.の砂がもたらす蟻地獄のような世界。砂は世間を意味するのか。読了後の脳の中は砂、砂、砂だらけです。まだまだ読みが足りません。