『立花隆の書棚』 知の巨人の20万冊

 

立花隆の書棚

立花隆の書棚

 

 

 

20万冊の書棚を写真撮影

 知の巨人、立花隆驚異の蔵書を書棚ごと撮影して紹介。20万冊にも達する、どんな本がどのように並べられているのか。写真と共に蔵書にまつわる興味深い話も、約650ページにわたり満載。

 

西洋哲学も、東洋思想も理解できない日本人

 西洋社会を本気で理解しようと思うなら、聖書は新約、旧約とも必読です。ところが、そうした西洋の価値観や文化の根底にある、聖書やキリスト教に対する日本人全般の知識の貧弱さと言えば、「てんでお話にならないレベル」だ。その意味で、ほとんどの日本人は、実は「西洋」というものについて何もわかっていないのに、さもわかっているかのように話をしているだけ。こんなことを書くと「たしかに西洋の文学や哲学に関しては、日本人の理解は浅いかもしれない。しかし、東洋にも独自の東洋哲学・東洋思想があるのだから、そんなに悲観することはない。」という人も出てくる。
 では、日本人が東洋の哲学・思想についてどれだけのことを知っているのか。中国の思想について、あるいは仏教についてインド思想史からきちんと知っている人はどれくらいいるだろうか。イスラム教、イスラム文化についても事情は同じだ。

 

漢文の授業すらない

 正直なことろ、日本人、特に現代の日本人は「ほぼ何も知らない」と言ってもいい。イスラムはともかく、中国思想についていうと、むしろ、インターネットどころか、書籍も手に入りにくかった明治初期とか江戸時代の人のほうが、よほど深い知識があった。日本の知識人と呼ばれる人はみんな、漢文を読み書きすることができた。森鴎外夏目漱石もオリジナルの漢文をそのまま読み書きすることができた。
 ところが、ある時期から日本人は漢文に返り点を打って日本語の語順に直して読むという「読み下し」を行うようになり、もともとの漢文が読めなくなってしまった。そして現在に至っては、高校教育の現場で漢文の授業すらなくなり、大学入試においても軒並み漢文は出題されなくなった。結局、今の日本人は肌感覚では東洋思想も西洋思想も理解することができなくなってしまったと。
 そこで立花隆が現代人に必要な書籍を紹介していく。その厚み、5cmを越える辞典のような本書には、書棚の写真と圧倒的な知の本が数多く掲載されています。