きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『父と暮せば』 井上ひさし

父と暮せば (新潮文庫) 作者: 井上ひさし 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2001/01/30 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 34回 この商品を含むブログ (47件) を見る 原爆投下後の広島が舞台 原爆投下後の広島を舞台にした二人芝居。こまつ座にて日本各地…

『国境のない生き方 私をつくった本と旅』 ヤマザキマリ

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書) 作者: ヤマザキマリ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/04/01 メディア: 新書 この商品を含むブログ (12件) を見る ヤマザキマリの体験的人生論 14歳で欧州一人旅、17歳でイタリア留学。住んだところ…

映画『この世界の片隅に』

『この世界の片隅に』 第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞こうの史代の同名コミックを片渕監督がアニメ映画化 あらすじ 第二次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと彼女を取り巻く人々の日…

『打ちのめされるようなすごい本』 米原万里

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫) 作者: 米原万里 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2009/05/08 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 145回 この商品を含むブログ (57件) を見る 米原万里(よねはらまり) 1950年 東京出身(聖路加病院)。ロシア…

2冊のボールのようなことば。 糸井重里

糸井重里の詩的で、哲学的でユニークな道しるべ 「若い世代に、糸井重里のことばを届けたい」。そんな動機から編まれた、糸井重里のことばの結晶。過去に彼が書いた膨大な原稿のなかから、行く道を明快に照らす、短いことばを厳選。すべての成長する人に贈る…

『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子

きみは本当は、いい子なんだよ校長先生はいつもそう言ってくれた 窓ぎわのトットちゃん (講談社青い鳥文庫) 作者: 黒柳徹子,いわさきちひろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1991/06/15 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (24…

『沈黙』 遠藤周作

沈黙 (新潮文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/10/19 メディア: 文庫 購入: 26人 クリック: 337回 この商品を含むブログ (268件) を見る あらすじ 島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制のあくまで厳しい日本に潜入した…

映画『ある天文学者の恋文』

世界に配信された、著名な天文学者の訃報。だが、恋人のもとには彼からのメッセージが届き続ける。天文学者が仕掛けた永遠の愛とは? 壮大でロマンに満ちたテーマ 一人の天文学者が恋人に遺した ”謎” をめぐる物語。数十億年前に死してなお、地球に光を届け…

『九十歳。何がめでたい』 佐藤愛子 

めでたく御大増刷 御年 九十二歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。「卒寿? ナニがめでてぇ!」。人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、九十歳を過ぎてよくわかりました。 グチャグチャ飯 今年の六月、ハナが死んだ…

『東大教授が教える独学勉強法』 柳川範之

通信制大学から東大教授になった自らの体験に基づく、必要な学び方 東大教授が教える独学勉強法 作者: 柳川範之 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2014/07/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る もう一度学び直したい人へ 高校へ行かず、…

『思考停止という病』 B層戦略とは

権力者は国民に思考停止してほしい企業は情報弱者にモノを売りたい 思考停止という病 作者: 苫米地英人 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/03/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 頭のいい権力者ほど、思考停止を望む メディアや国家は権…

映画『ハドソン川の奇跡』

監督 クリント・イーストウッド主演 トム・ハンクス配給 ワーナー・ブラザース映画 第90回キネマ旬報外国映画ベストテン第1位外国映画監督賞受賞 その日、英雄は容疑者になった 2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850mで155名を乗せた航空機を突如襲っ…

『歎異抄』 悪人でさえ往生できる

新版 歎異抄―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) 作者: 千葉乗隆 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2001/07 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (9件) を見る 善人なほもつて往生をとぐいはんや悪人をやしかるを世のひとつねにい…

『お金の流れで読む日本の歴史』 悪質金融業者だった寺の坊主たち

比叡山延暦寺だけでなく、熊野や高野山など当時の有力な寺社は金融業を営んでいた お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が「古代~現代史」にガサ入れ 作者: 大村大次郎 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/03/11 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

映画『君の名は。』

互いが入れ替わる不思議な夢 千年ぶりとなる彗星の来訪を間近に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生、三葉と東京で暮らす男子高校生、瀧とがある日、夢の中で互いが入れ替わる。繰り返される不思議な夢。入れ替わるふたりは特別な繋がりに気付く。し…

『医者に殺されない47の心得』 近藤 誠

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法 作者: 近藤誠 出版社/メーカー: アスコム 発売日: 2012/12/13 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (30件) を見る 〈注意〉 本書は2013年のベストセラー。…

植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」

植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫) 作者: 戸井十月 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/03/05 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (3件) を見る 昭和という時代の始まり 大正15年(1926年)12月25日…

『ボッコちゃん』 星 新一

ボッコちゃん (新潮文庫) 作者: 星新一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1971/05/25 メディア: 文庫 購入: 36人 クリック: 383回 この商品を含むブログ (208件) を見る 星 新一(1926~1997年)は、日本のショートショート作家、SF作家です。父は星製薬の…

『タクアンの丸かじり』 東海林さだお 

タクアンの丸かじり (文春文庫) 作者: 東海林さだお 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1997/04 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (4件) を見る 「丸かじりシリーズ」 毎日新聞朝刊に連載の4コマ漫画「アサッテ君」でお馴染みの東海林さ…

『職業は武装解除』 瀬谷ルミ子

職業は武装解除 (朝日文庫) 作者: 瀬谷ルミ子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/05/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 私は三十四歳、職業は武装解除です「壊れた社会」を立て直す、それが私の仕事 平凡な少女の運命を変えた …

『星の王子さま』 サン=テグジュペリ

サハラ砂漠に不時着した孤独な飛行士と、「ほんとうのこと」しか知りたがらない純粋な星の王子さまとのふれあいを描いた永遠の名作です 星の王子さま (新潮文庫) 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,河野万里子 出版社/メーカー: 新潮社 発…

日本人に「宗教」は要らない

日本人に「宗教」は要らない (ベスト新書) 作者: ネルケ無方 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 2014/02/08 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る ひと粒の米も残さず食べる精神性 ドイツ人住職から見た「日本人の宗教観」 曹洞宗の開祖…

『科学革命の構造』 パラダイム

コペルニクスの時代を丹念に研究 20世紀を代表するアメリカの科学史家、トーマス・クーンはコペルニクスの時代を丹念に研究した結果、驚くべき結論にたどり着きました。コペルニクスの地動説は、彼の死後1世紀あまり、ほとんど賛同者を得られなかった。ニュ…

『ソクラテスの弁明・クリトン』 プラトン

ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫) 作者: プラトン,久保勉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1964 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 512回 この商品を含むブログ (119件) を見る 生涯一度も本を書いていない哲学者 ソクラテス(紀元前469年頃~39…

『新・地政学』 リーダー論

対立の軸にあるもの 「冷戦」や「第二次冷戦」という言葉を使うことによって、時代の流れがより理解しやすくなるかもしれません。対立の軸にあるのは、ひとことで言えば「価値観」だと思います。「歴史の終わり」、すなわち民主主義と自由経済こそが歴史の最…

『ミライの授業』 瀧本哲史 

14歳のきみたちへ 紀伊國屋書店で何気なく手にした一冊が、なかなか良い内容だったので紹介します。14歳のきみたちへ、とあるように本書は中学生に向けた「新しい時代を生き抜くための考え方」について、実際の特別授業の模様を書籍化されたものです。 どう…

大平正芳が残した言葉

在素知贅 元首相の大平正芳さんが残した印象的な言葉があります。それが、在素知贅(ざいそちぜい)。生活は質素だけど、知力は贅沢でいたいとか、暮らしは質素でも思想は高くという意味でしょうか。 大平さんは、敬虔なクリスチャンであり読書家で、かつ中…

『もしも利休があなたを招いたら』 千 宗屋 

どうして畳のヘリを踏んではいけないのか 「一畳」という身体感覚 茶室における畳は「ものさし」として機能します。流儀によっても違いますが、お茶では畳一畳を六歩で歩くと教わります。これはふつうよりもやや小さな歩幅で、すり足気味に歩くのに適した歩…

『新・観光立国論』

日本人だけが知らない「観光後進国」ニッポン 観光大国としての日本 外国人観光客、1300万人突破。これは日本ほどの国としては驚くほど少ない数と言わざるをえない。日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、2030年までに8200万人を招致することも、…

『ゲゲゲのゲーテ』 水木しげる

ゲーテとの出会い 水木しげるとゲーテとの出会いは、第二次世界大戦が勃発した翌年の1940年にさかのぼる。この年、水木は18歳で、ゲーテに限らず、聖書やニーチェ、ショーペンハウエル、カントなどもむさぼるように読んだという。 それは、いつか召集され、…