きょうも読書

言葉の迷路を彷徨う

2017-01-01から1年間の記事一覧

『思考の整理学』 外山滋比古

東大で一番読まれた本もっと若い時に読んでいれば ... 思考の整理学 (ちくま文庫) 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1986/04/24 メディア: 文庫 購入: 91人 クリック: 844回 この商品を含むブログ (747件) を見る 200万部を超える大ベス…

『白雪姫』 グリム童話

本当は怖いグリム童話 グリム童話というと、危機に陥った主人公が、最後は助かって幸せになる、という子どもたちが引き込まれる内容というイメージですが、実際のグリム童話はそんなハッピーエンドではなく、非常に残酷かつ厳しい結末だったのです。 グリム…

『蟹工船』 小林多喜二

あらすじ 海軍の保護のもと、オホーツク海のロシア領海で密漁する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。” 国策 ” の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキに踏み切るが、船を所有する会社は海軍の力を借りてこれ…

人生うまくいかない時は 美輪明宏

悪い時期は、知の財産を増やしなさい NHK『あさイチ』へゲスト出演した美輪明宏。視聴者から寄せられた相談への回答が、素晴らしいと話題になったことがあります。 相談は、「人生うまくいかないなと思った時、どう切り換えればいいですか。悪いことしか思い…

『学問のすすめ』 福沢諭吉

福沢諭吉 Q&A です Q1. 英語の「スピーチ」を「演説」と翻訳して、はじめて日本語で紹介した諭吉。演説を広めようと、自分も練習しました。諭吉の練習方法とは? ① お芝居に出演して、長いセリフをしゃべった② 橋の下で、声を張り上げた③ 民謡をならって、大…

芥川龍之介 『蜘蛛の糸』

人間の本質を知りたければ 芥川龍之介です 蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫) 作者: 芥川龍之介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/11/19 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (131件) を見る ポール・ケーラスの『因果の小車』が…

いしぶみ  広島ニ中一年生 全滅の記録

碑に刻まれた旧制・広島二中の一年生321人幼くしてこの世を去った彼らが、最期に残した言葉とは、何だったのだろう The City of Hiroshima いしぶみ―広島二中一年生全滅の記録 (ポプラポケット文庫) 作者: 広島テレビ放送 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日:…

『舟を編む』 三浦しをん

辞書は、言葉の海を渡る舟海を渡るにふさわしい舟を編む あらすじ 出版社のさえない営業部員馬締光也(まじめみつや)は、「右」を定義せよという質問に答え、言葉への鋭いセンスを買われて辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の…

『キュリー夫人伝』 ラジウムを発見した女性科学者

今世紀の原子力・核の時代を切り開き、パリ大学初の女性教授に就任したキュリー夫人 Wikipedia マリア・スクウォドフスカ=キュリー (1867-1934)現在のポーランド出身の物理学者・化学者で、フランス語名はマリ・キュリー。キュリー夫人の名で有名ですね。放…

『読書脳 ぼくの深読み300冊の記録』 立花 隆

読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 (文春文庫) 作者: 立花隆 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 「読書日記」6年分を収録 電子書籍と紙の本では脳の働きが違う。本のデジタル化によって「読む」…

幕末の思想 「水戸学」

幕末の思想は尊王攘夷を基本に民衆が近代の扉を開いた ペリー来航にはじまる 幕末という独自の時代の空気の中で登場し、育まれていった一群の思想が存在しました。そんな幕末の思想は、ペリー来航に始まったといってもいい。幕府はペリーの威圧に屈して翌年…

『はやぶさ、そうまでして君は』 日本の宇宙開発

KAGAYAギャラリー提供画像 日本の宇宙開発の歴史を変えた前人未到のプロジェクトその全容がここに 小惑星探査機「はやぶさ」 どうして君は、それほどまで、我々の指示に応えてくれるのか?地球に向かう軌道の精確さ、大気圏再突入の精確さを追求することは、…

『おろしや国酔夢譚』 井上 靖 

幕末の開港前に日本とロシアでは民間レベルでの交流があった 大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう) 1782年、船頭大黒屋光太夫ら17人の男と、廻米・木綿等を積んだ神昌丸は伊勢から江戸へ向かった。9か月後、彼らが流れ着いたのは、北の果てカムチャッカだっ…

『ガリバー旅行記』 ジョナサン・スウィフト

『ガリバー旅行記』 大の冒険好きで船医のガリバーが乗った船が大嵐にあいました。ある島で目覚めたガリバーはびっくり! こびとがまわりにぞろぞろ。そう「こびとの国」だったのです。 人間観察と風刺 『ガリバー旅行記』では、スウィフトはガリバーを「小…

『ぼくはこんな本を読んできた』 立花隆の読書論

立花隆の「知の世界 」構築のノウハウ ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫) 作者: 立花隆 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1999/03/10 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 182回 この商品を含むブログ (64件) を見る 純…

『慶應幼稚舎』 福沢諭吉の教育思想

「独立自尊」という理念個人が平等であることを担保とするためには、一人ひとりが独立していなければならない。個人の独立があってはじめて国が独立できる。 慶應幼稚舎 (幻冬舎新書) 作者: 石井至 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2010/05/27 メディア: 新…

「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか

自分の最期は自分で決める胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか? 「尊厳死」と「安楽死」 平穏死、自然死、尊厳死は、ほぼ同義語と考えていい。「平穏死」は、老衰や認知症の終末期、あるいは末期がんや臓器不全によるもの。「自然死」は文字通り、自…

『桜田門外ノ変』 吉村 昭

吉村昭の『桜田門外ノ変』 安政七年(1860年)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。 安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこっ…

映画『ちはやふる 上の句』

累計1,700万部を超える人気漫画『ちはやふる』を映画化 競技かるた人気 競技かるたを題材とした青春漫画『ちはやふる』(末松由紀)の大ヒットで、日本の伝統文化の競技かるたが有名になり、人気が高まっています。また外国人の競技かるたへの関心も高まって…

「土用の丑の日」と万葉集 起源は1200年前

夏バテに鰻を食べる、は1200年前から実は縄文時代から食べられていた マーケティングの達人、平賀源内もびっくり 「土用の丑の日に鰻を食べる」が習慣になったのは、江戸時代に平賀源内がひろめたとして知られています。しかし、源内はゆえなく夏にうなぎを…

『未来の年表』 人口減少日本でこれから起きること

小さくてもキラリと輝く国を自分たちの手で作り上げられるか 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 作者: 河合雅司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/06/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 少子化は国家を…

本を読むときに無意識にしている8つのこと

本を読むときの8つの習慣 普段、本を読むときに特別に心がけていることなどあまりないのですが、なにかいろいろなことをしているようです。以下に、思いついた8つのことを箇条書きにしてみました。最初は意識的にしていたこともありましたが、慣れると無意…

『桜の樹の下には』 梶井基次郎 

桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ 『桜の樹の下には』 前回の『檸檬』に続いて、今回は『桜の樹の下には』です。わずか4ページの小品ですが、いきなり屍体(したい)が桜の樹の下に埋まっているという、衝撃的なはじまりで…

『ふたつめのボールのようなことば。』 糸井重里

糸井重里詩的で、哲学的でわかりやすいことば ひとりでもやる 「ひとりでもやる」って開き直ると、別のひとりが集まってくる カッパは待っている じぶんがカッパだとしたらさ川のほとりにしゃがみこんで、なにを待つと思う?カッパだよじぶん以外のカッパを…

日本人なら知っておきたい「古事記と神宮」

格式の高い神社を「神宮」大きな神社を「大社」という 古事記と神宮について 古事記には、神社の由来、たくさんの神様や天皇のことが出てきます。また、桃太郎や一寸法師、浦島太郎、因幡の白兎などの元の話も出てきます。さらに国の成り立ち、祝祭日の起源…

『ボールのようなことば。』 糸井重里 

糸井重里の詩的で、哲学的でユニークなことばです ちょっとださい 「かっこいい」ことのなかには微量の悲しさが含まれているような気がします逆に「ちょっとださい」ということのほうに調和的な、満ち足りた美しさがあるんじゃないか 誰かに伝わる じぶんが…

『注文の多い料理店』 宮沢賢治

理想郷「イーハトーブ」に生きた無名の詩人 宮沢賢治 注文の多い料理店 (ハルキ文庫 み 1-4 280円文庫) 作者: 宮沢賢治 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2012/04/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 『注文の多い料理店』 二人の…

「罪のない者だけが石を投げよ」 ヨハネによる福音書

あなたたちの中で罪を犯したことのない者がこの女に、まず石を投げなさい 「姦通の女」ヨハネによる福音書第8章3〜11節 聖書の中に、姦通罪で捕らえられた女性をめぐって、主イエスと律法学者たちが対決する場面があります。旧約の律法では、姦通罪は石打ち…

「髪切った?」は、魔法の言葉

「髪切った?」には意味がある いい空気を一瞬でつくる 2013年に発売された『タモリ論』(新潮社)に、タレントのタモリさんが「髪切った?」と聞くのは話すことがないからとあります。でもそこに意味があるという。実はこの言葉には「いい空気をつくる」チ…

文学は必ずしも必要ではない?

いまさらですが、文学は人生において必要なものなのでしょうか? 文学入門 (岩波新書 青版) 作者: 桑原武夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1950/05/05 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (16件) を見る 文学は、はたして人…